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院長ブログ

栄養療法に関する話題や日々感じたことなど記していきます。


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高濃度ビタミンc点滴

March 15, 2011

2005年に、米国の国立衛生研究所や国立ガン研究所の研究者たちが、「ビタミンC(以後VC)がガン細胞の増殖を抑制し、正常な細胞には影響を与えない」、という内容の論文を医学雑誌に発表しました。それを契機に、米国で高濃度ビタミンc点滴療法がガン治療に用いられるようになり、現在では日本でも一部の医療機関で行われるようになってきています。しかし保険適応はないので自費での治療になります。VCを大量(50~100g)点滴しVC血中濃度を350~400mg/dlにすると、ビタミンCが酸化されたときに発生する過酸化水素がガン細胞に作用し、ガンの増殖を抑制します。酸化されたビタミンCであるアスコルビン酸ラジカルは安定しているので身体に悪さはしません。血液中では過酸化酸素は発生せず、血管外でのみ発生します。ガン細胞にはカタラーゼという鉄由来の活性酸素消去酵素が殆どないので、過酸化水素を処理できずガン細胞がダメージをうけますが、正常な細胞はカタラーゼ活性が高いので過酸化酸素の影響をうけません。高濃度VC点滴には、抗ガン剤のような強力なガン細胞殺傷作用はありませんが、コラーゲンバリア生成や免疫細胞活性作用があり骨髄抑制などの副作用がないという利点があります。ただし、限局性のガンに関しては、まず外科的手術で切除し、ガン細胞の数を減らしておく必要があります。全身に転移している場合や低アルブミンや貧血が目立つ方は、あまり効果が得られません。ガン治療において最も重要なのは、低アルブミンと貧血の是正なのですが、このことを理解して治療を行っている医師は皆無に等しいのが現状です。術後のガン患者さんのフォローアップの血液検査項目の中にアルブミンを測定していない外科医がたくさんいるのには驚かされます。アルブミンを増やすためにはプロテイン、造血にはタンパク質、ビタミンA、ビタミンB群などが欠かせません。高濃度ビタミンC点滴単独よりも栄養療法を併用するほうがガンに負けないために重要だということを是非理解していただきたいです。