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院長ブログ

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ピロリ菌除菌と胃癌予防

April 1, 2009

先日新聞にピロリ菌除菌で胃癌の発症リスク低下に期待という内容の記事が載っていました。2008年に英国医学誌ランセットに掲載されたピロリ菌の除菌で胃癌の発症を減らせれるという内容の論文が発表されてから、日本ヘリコバクターピロリ学会も、ピロリ菌除菌を勧める指針をやっと公表しました。しかしそれ以前は、ピロリ菌なんて大半の日本人が感染しているので、潰瘍のない患者にいちいち除菌なんかする必要がないという消化器内科医が大勢を占めていました。私は以前から積極的にピロリ菌の除菌を患者さんに勧めてきました。①ピロリ菌感染が潰瘍の原因である、②ピロリ菌感染が胃癌のリスクになること、③ピロリ菌感染によって胃粘膜が萎縮し胃酸の分泌が低下することで栄養素の消化吸収が悪くなること、などがその理由です。ピロリ菌の除菌ですが、保険適応になる患者さんは胃潰瘍もしくは十二指腸潰瘍の患者さんに限られています。しかし私は、胃癌予防と栄養素の消化吸収の面からも、潰瘍がないピロリ菌感染の場合でも、自費で除菌したほうがいいと思っています。新聞記事内にも自費で除菌を積極的に行うクリニックのことが書かれていました。しかし除菌の際に問題となる点があります。それは除菌薬の選択です。保険で認められている除菌薬は、PPI(プロトンポンプ阻害剤)、AMPC(アモキシシリン)、CAM(クラリスロマイシン)の3剤の組み合わせです。しかしクラリスロマイシンに対する耐性菌が多いため2割ほどの人は除菌に失敗してしまいます。自費で除菌している殆どのクリニックも、保険で認められた薬を使った除菌をしています。これでは除菌に失敗する人が多くなります。除菌の確率を上げるためには薬の選択に工夫が必要ですが、約98%の高い確率で除菌ができています。また抗生剤によって腸内細菌のバランスが乱れで下痢をしてしまい、除菌薬が飲みきれなくなる人も少なくありません。下痢予防には、腸粘膜強化の栄養素を事前に補給しておくと下痢を抑えることができます。稀ですが、AMPC(ペニシリン)にアレルギーがある人もいますので、こういう人にはAMPCが使えません。こういう方には、オリーブ葉エキスやラクトフェリンなどで除菌可能です。胃癌は予防可能ですし、早期発見すればまず完治するものなので、胃症状がある方は是非とも胃カメラ検査を受けてください。鎮静剤で眠っている間に検査できますし、最近では鼻から入れるカメラもあり口から入れるカメラよりも格段に楽に検査ができます。