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院長ブログ

栄養療法に関する話題や日々感じたことなど記していきます。


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慢性疲労症候群にマクロビオティック?

July 19, 2007

マクロビオティックってご存知ですか?マクロビオティックの語源は、古代のギリシャ語で、マクロビオスといい、元々の語源では「健康による長寿」「偉大な生命」などを意味するそうです。現在は、肉・精製された砂糖・乳製品・食品添加物などを避け、玄米・野菜・豆・海草といった食品を摂取する食事法のことを指すようです。慢性疲労の治療としてもこの食事方法が推奨されているようで、先日インターネットで慢性疲労症候群を検索していたときにマクロビオティックとの関連記事が載ってあるのをみつけました。しかし分子整合栄養医学的見地からは、このマクロビオティックは慢性疲労を増悪させる可能性があると考えます。なぜなら玄米菜食のみでは、鉄やビタミンB・必須アミノ酸などが不足するからです。医師や栄養士でも知らない人が大半ですが、ほうれん草などの植物性の鉄は無機鉄なので吸収率が5%以下で鉄不足の解消には役立ちません。レバーや赤みの肉に含まれる有機鉄(ヘム鉄)は吸収率が40%ほどと高いのです。男性の場合生理がないので鉄を失いにくいですが、女性の場合生理や妊娠・出産で鉄を失う機会が多いので菜食主義では鉄不足に陥ります。またビタミンB12は動物性食品に多く含まれていますし、ビタミンB6も、植物性食品に含有されるピリドキシン(PNP)は吸収率が悪く、動物性食品に含まれるピリドキサル(PLP)というもののほうが吸収率がいいのですし、オレンジジュースに含まれるビタミンB6は50%が糖化B6なのでその生理活性は極めて低いのです。アミノ酸バランスも動物性蛋白の方が優れています。慢性疲労症候群にはカルニチン代謝など様々な要因が関係していますが、女性の慢性疲労の原因の多くは、鉄欠乏&ビタミンB欠乏&タンパク質欠乏が関係していますので、マクロビオティックを実践するとむしろ鉄・VB群・タンパク質の不足を招き、症状を悪化させる可能性があります。
殆どの医師は分子整合栄養医学の知識がないので、血液検査で基準内に入っていると「異常なし」と診断します。慢性疲労を訴えてたとえ病院に受診してもきちんと診断してもらえないと、患者さんも体質改善しかないと考えマクロビオティックに辿り着く場合も少なくないようです。分子整合栄養医学的に血液検査をすれば、鉄欠乏やビタミン欠乏などの診断は容易につきます。慢性疲労でお悩みの方は、まずは分子整合栄養医学的な血液検査(どこの病院でもやってません)をお受けになって鉄などの栄養欠損がないかどうか確認されることをお勧めします。