院長ブログ

栄養療法に関する話題や日々感じたことなど記していきます。


« ほんとは怖いプロトピック  |  高濃度ビタミンC点滴 »

信頼関係

March 13, 2010

栄養療法は、原因に対して根本的なアプローチをするすばらしい治療で、かつ生体内分子を使うので薬のような副作用がない安全な治療方法です。しかしまだ一般的に認知されていない特殊な治療方法です。また栄養素は保険が使えませんので自費になり金額も決して安くありません。ですから患者さんには私から栄養療法を強く勧めません。むしろどうしても栄養療法で治療したいと思う人以外には、栄養療法はしないほうがいいですとお断りするくらいです。
栄養療法は、容量依存性に治療効果がでますので、摂取する栄養素の量が少ないと殆ど治療効果が得られません。また栄養欠損も1種類だけの栄養素ではなく複数の栄養素が不足していますので、不足しているもの全てを補充しなければいけません。そうなると栄養素の種類、量がかなりのものになります。私が処方する栄養素の種類と量に多くの方は驚かれます。しかし、不足しているものを網羅しかつ量を摂取しないと治療効果がでないということと、アミノ酸やビタミン・ミネラルなどは生体内分子(もともと細胞で利用されている形の物資)なので、薬のように解毒排泄する必要がなく、また小腸が賢いので過剰に摂取しないような仕組みを持っているので副作用の心配がないということを説明し、ご理解いただいた方にだけ栄養療法をしていただきます。それでもそんなに飲んでも大丈夫なんですか?と聞かれる方には、栄養療法はお勧めしません。私に対する信頼感がないので、信頼されていない人間(私)が何度説明しても納得してもらえないからです。副作用が本当にないかどうか心配でしたら、御自分で栄養素や身体の仕組みを勉強して理論を納得していただかないと仕方がありません。私の師匠は、「栄養療法は誰にでもすすめてはいけません、身内や親しい方にのみ教えてあげてください」と言われています。このようなことを言われる理由は、栄養療法がまだ標準療法ではない(いずれ標準療法になるでしょうがまだ何十年も先の話でしょう)ことや、信頼関係がないとなかなか多くの種類・量の栄養素を継続して摂取していただけないということを25年以上の経験で痛感されているからだと思います。私の師匠が師事したライナスポーリング博士は、「栄養療法を専門家(医師)に説くな、説いても攻撃されるだけだ、一般大衆に説け」と言われたそうです。その道の専門家は、自分の治療方法が絶対正しいと思って人の意見を聴きません。専門知識(実際は薬物療法に偏った)のない一般の人に分子整合栄養医学を説いて勉強していただき正しい知識を身につけるような地道な活動を師匠は25年以上行っています。正しい知識を身につけるとおのずと自分が飲むべき栄養素の種類や量が理解できるのです。
私ももっと勉強し、多くの患者さんの病態を根本的に改善させ、より多くの方に信頼され安心して栄養療法をうけていただけるような分子整合栄養医になりたいと思っています。