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院長ブログ

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がんの多剤耐性

February 9, 2011

抗生物質が効かない耐性菌があるというのは皆さんご存知だと思います。抗生物質を乱用したり、中途半端な投与をしたりすると、細菌が抗生物質に抵抗力を持つようになり抗生物質が効かない細菌が出現します。細菌と同様に、がんも抗がん剤に耐性をもつのです。抗がん剤治療は、最初の数回はよく効いてがん細胞の数が減ります。しかしある時を境に抗がん剤が効かなくなり、腫瘍が増大してきます。薬剤耐性を持つがん細胞が細胞内から薬剤排出を盛んに行うようになるからです。薬剤排出にはP糖タン白質が関与していることが分かっています。抗がん剤は活性酸素を発生させ細胞分裂を阻止する作用を有します。がん細胞の分裂を阻止しますがそれ以上に骨髄の分裂を阻止しますので、マクロファージ、リンパ球、などの免疫細胞がうまく作れなくなります。免疫細胞の減少や多剤耐性などの影響によって、一旦縮小したがんが再び増大してきます。抗がん剤は決してがんを全て殺しているわけでなく、画像的に見えない数になっているにすぎません。抗がん剤治療は最初の数回にとどめ、アルブミンやヘモグロビンを高い値に保つような栄養療法や高濃度ビタミンc点滴を行うほうが、がんの増殖を抑えることが可能と思われます。


岡山がん治療クリニック