院長ブログ

栄養療法に関する話題や日々感じたことなど記していきます。


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がん治療

October 29, 2015

がん患者さんが、いわゆる標準治療とは違った別の治療を求められて当院を受診されことがよくあります。手術をした後、抗癌剤や放射線治療をどんどんやったものの、再発した、抗癌剤の副作用で体力に限界が来てもう抗癌剤治療は受けることができない、といった状態で受診される方が多いです。
分子整合栄養医学では、がん治療において最も重要視するのがヘモグロビンとアルブミンの値をしっかり維持することです。言い換えると、貧血と低タン白が、がんに負けやすい状態なのです。がんと診断された直後から栄養療法医にまず相談してもらいたいです。がんにならないように日ごろから、予防のために禁煙・節酒・ピロリ菌除菌・正しい食生活・抗酸化アプローチや分化誘導などの栄養療法を実践していただくのがベストではありますが。
まず低タン白だと手術した際に縫合部分の治りが悪いです。タン白質不足は免疫能の低下にもつながります。また貧血ですと手術操作で飛んだ小さながん細胞によって転移しやすくなります。ですから、術前にしっかりとタン白質を摂取し、貧血がああるならば貧血の是正をしておく必要があります。しかし、こんなアドバイスは外科医はしてくれません。
術後に抗癌剤治療が必要なケースもあるでしょう。しかし、抗癌剤治療をする際にも、抗癌剤の副作用を軽減するために栄養療法を活用していただきたいのです。また抗癌剤治療と並行して高濃度ビタミンCをされるほうが、副作用軽減や抗腫瘍効果が期待できます。抗癌剤は何回かしているうちに耐性が生じてきて癌を殺す効果が乏しくなってきます。耐性が生じてきているのに抗癌剤治療を続けると、正常な細胞ばかりにダメージが起きて結果余命を縮めてしまう危険性もあります。腫瘍縮小効果が乏しくなったときが、抗癌剤治療の潮時と考えた方が賢明です。
がんと診断された際には、貧血や低アルブミン血症があれば早急にこれらの是正を行い、術後や抗癌剤治療中も貧血と低アルブミンにならないように栄養摂取を行うことが重要です。手術・抗癌剤・放射線治療という標準治療だけよりも栄養療法を並行して行った方が予後が良いというデータもあります。ぜひとも栄養の力を借りながら初期の段階からがん治療を行っていただきたいと思います。