院長ブログ

栄養療法に関する話題や日々感じたことなど記していきます。


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うつ病

October 3, 2007

主治医の見つかる診療所というTV番組でうつ病について放映されていました。うつ病は脳内セロトニン濃度の低下が主な原因と言われており、セロトニンの再取り込みを阻害するSSRI(パキシル、デプロメールなど)がうつ病治療の特効薬として処方されています。セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸から体内で生合成されますので、トリプトファンを多く含む牛乳などの乳製品を摂るのがいい、うつ病予防には食事が大事とこのTV番組のHPには書いてあります。確かにそのとおりです。食事が非常に重要です。特に日本人はタンパク質の摂取が少なすぎます。炭水化物・糖質中心の食事をする人が多いようです。またトリプトファンという必須アミノ酸からナイアシンアミドという人間に欠かせない補酵素が作られますが、60mgのトリプトファンからたった1mgのナイアシンアミドしか合成されません。ナイアシンはビタミンB3ともいいますがが、ナイアシンの摂取が少ないとナイアシンアミドを合成するためにトリプトファンが消費され、セロトニンの合成量が減ってしまいます。ですからうつ病予防にはナイアシンを中心としたビタミンB群の補給も非常に重要になってきます。
しかしうつ症状はセロトニン濃度の低下だけが原因ではありません。鉄不足、機能性低血糖などでも起こります。女性の場合はむしろ鉄欠乏や機能性低血糖が原因のうつ症状のほうが多いのではないかと私は思っています。心療内科や精神科でうつ病の診断をするのは、患者さんの症状と訴えを問診し精神疾患の診断マニュアルであるDSM-Ⅳにのっとって該当する項目がいくつ以上あるからうつ病というふうに診断します。しかしこの診断マニュアルの後半部分に甲状腺機能低下症や鉄欠乏性貧血などの一般身体疾患によるうつ症状を除くと記載されています。しかし殆どの場合、心療内科では血液検査で甲状腺機能や貧血チェックをしません。たとえ貧血チェックを血液検査で行ってもヘモグロビンの値でのみ貧血の診断をします。鉄欠乏はフェリチンを測定しないと正確に診断できません。またフェリチンの基準値自体が6~167とでたらめなので、基準範囲内に入っていても鉄欠乏の場合が殆どです。分子整合栄養医学的にはフェリチン値が50未満の場合は、うつ症状がおきてもおかしくないと考えます。
原因不明の症状がでて一般的な病院に行っても、マニュアル診断しかできませんので鉄欠乏などの栄養欠損による症状だとはきちんと診断してもらえません。それでも症状を患者さんが訴えると心療内科に紹介され、そこではろくな検査もされずマニュアル診断だけでうつ病などの精神疾患を診断されてSSRIを処方されてしまうのです。疲労、気分の落ち込みなどの症状が出た場合は、まずは分子整合栄養医学的な血液検査を受けることをおすすめします。