院長ブログ

栄養療法に関する話題や日々感じたことなど記していきます。


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アルブミン

June 29, 2016

アルブミンはタン白質の一種で、栄養や薬の運搬、浸透圧の保持、組織へのアミノ酸供給などの重要な役目を担っています。アルブミンは一種の長寿マーカーでもあり、アルブミンを高く保っている高齢者は元気で長生きをすることが分かっています。外科手術の際に、アルブミンが低いと縫合不全(縫った胃や腸などがきちんと癒合しません)を起こしやすくなります。がん患者さんも、アルブミンが高いと余命が長いということは分子整合栄養医学的な統計調査で判明しています。
しかし、外科医、内科医はあまりアルブミンの数値には関心を持っていません。アルブミンが少々低下しても特に何の対処もしません。肝硬変の患者さんは、肝臓でタン白質の合成がうまくできなくなりアルブミンが低下します。肝硬変の低アルブミンに対しては、アルブミン点滴が保険で可能ですが、1週間にできる点滴の本数に制限があるので、点滴をしてもあまりアルブミンは増えません。アルブミンは点滴してもあまり増えないので、医師の多くはアルブミンを増やすことは困難だと思っていることが多いように思います。栄養療法医は、いろいろな武器(栄養素)を持っていますので、点滴をしなくてもアルブミンを増やすことが可能です。
手術を控えている方、術後にアルブミンが低下している方、がん治療を行っている方は、ぜひともアルブミンを少なくとも4g/dl以上、できれば4.3g/dl以上に増やすことをおすすめします。