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院長ブログ

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マラソン選手の故障

August 19, 2008

オリンピックの女子マラソン代表選手の故障が相次ぎました。野口選手は出場せず、土佐選手はリタイアという残念な結果になりました。元マラソン選手だった解説者たちは、トップアスリートは「故障と紙一重のハードな練習を行っている、故障もやむなし」といった内容のことを言っています。確かに女子の陸上選手は故障をする人が多いのは事実です。しかし故障するには原因があります。まず陸上の指導者が、体の仕組みや栄養素のことを理解していないことが挙げられます。日本の女子陸上選手は、痩せている人が多いです。ハードな運動をすると、運動ストレスによりステロイドホルモンの分泌が亢進し、エストロゲン分泌を抑制してしまいます。また痩せすぎにより体脂肪が極度に低下し、脂肪細胞からのサイトカイン分泌が減少し卵巣機能が低下してしまいます。長距離の女子選手は無月経の人が多いのではないかと思います。エストロゲン分泌が低下すると、カルシウム吸収や骨形成の悪影響を及ぼし、疲労骨折しやすくなるのです。またハードな運動は体蛋白の異化亢進を招きます。骨のコラーゲンはタンパク質・鉄・ビタミンVで形成されますので、タンパク質不足は骨のコラーゲン脆弱につながります。また靭帯や筋肉を覆う膜は、酸化ストレスにさらされており故障しやすい状態にありますので、ビタミンEによる抗酸化アプローチも欠かせません。しかし今回の女子マラソンでの出来事を見ると、多くの陸上選手というか陸上指導者は栄養素の重要性を理解していないと思われます。スポーツドクターというと多くは整形外科医がやっています。しかし整形外科医は怪我や故障の治療に長けていますが、分子レベルでの栄養素の働きや細胞レベルでの故障の予防に関する知識はないものと思われます。アスリートの故障を防ぐためにも、ポテンシャルを高めるためにも分子整合栄養医による栄養指導が今後は欠かせないと私は思っています。